Shitty Limits、Love Triangle、Sceptres、Noのメンバーによるパンクバンドの1stアルバム。シングルがとてつもなくかっこよくてアルバムが楽しみでありました。
前述のバンド群は真っ当なパンクロックだったのになぜこうなった?と思わずにいられないちぐはぐなグルーブと癖になるキャッチーさ。そしてアートワーク、歌詞、演奏、録音から何までとにかく汚らしいのが特徴であり魅力です。
ガリガリのカッティングギター、ズレまくるリズムにスクリームとヴォミットを使い分ける女性ボーカル。滅茶苦茶なのに辻褄が合っている絶妙なバランス感。
金太郎飴アルバムでどの曲もかっこいいのですが、イントロのドラムが最高な「Acid House」、混雑時の電車内のイライラを歌った「Central Line」が良かったです。
ロウでプリミティブなパンクのファンが聴くバンドなのでしょうが、知的な面も感じられます。性器や割れた手鏡、肛門から飛び出したキャンピングカーのイラストや切り貼りのアートワークからはスカム、アヴァンギャルド、ジャンクなパンクがイケるクチならきっとピンとくるものがあるでしょう。
原始的な衝動と芸術性を感じる傑作。これこそがパンクだと声を大にして言いたい。
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