ニュージーランドのパンクバンドTransistorsの2nd。どこにでもいそうな名前のバンドですが、このバンドを仕入れたハイパーイナフが狂喜するだけあって他の追随を許さぬ凄まじい内容です。
あまり起伏を持たせず直線的に高速でぶっ飛ばすスタイル。要所要所で挿入されるノコギリのような轟音ギターと暗すぎず明るくもないメロディー。そして、Pete Shelly風のとぼけているようなボーカルが絶妙に曲を彩る。
ハイパーイナフのレビューの通りHusker Du~Bob Mouldラインの音であり初期のSuperchunkのパンクな曲の雰囲気も感じるのですが、ギリギリでエモーショナルハードコアになりきらない軟弱なラインを保っていて、結果、80年代初頭にいたパンクとハードコアの中間のバンドや90年代のオルタナの流れを汲むバンド、さらには現代のパワーポップ好きまでジャンルを越えて支持されそうなかっこいいパンクロックになっていると思います。
1曲目の「Method Actor」こそ途中で加工されたロボットボーカルが入ってきてでっかいクエスチョンマークなんですが、そこでギブアップせずに2曲目以降にトライしてみてください。一分もしないファストな「Ex-Communicator」からリードトラックと思しきポップな「
Your Life Could Be So Easy」の流れはいい!最後の「Dirty Diver」はRideっぽいボーカルとノイズが爆ぜる雰囲気の曲でなかなかです。悪ふざけからシリアスまで出来るバンドってことでしょうかね。
2013年のリリースですが日本に入ってきたのが2014年なのでベストに入れちゃおうかなあ…なんて気も起きる傑作ですよ。
bandcamp追記:ノコギリギターとか言ってたら本当に
PVでノコギリギターが出てきましたた。