近年盛り上がっているオーストラリアのパンクシーン。ヘボいガレージからダークでロウなパンクやポストパンクと色々ですが、登場するバンドはどれも著しくバランスを欠いたバンドばかり!最近はパワーポップや70'sパンクが今一つピンとこない気分だったので、ワタクシも数年遅れでその流れに便乗してみました。
このオーストラリアのGentlemenのSex Tapeは12年に自主で発表されたテープをHomeless Recordsがアナログ化したもの。
不快感でいっぱいのアートワークから想像できる、メロディーなど一切ないノイジーで病的なパンクロックです。
ギタギタで傷だらけの真っ黒なノイズを放出するギターと、ピキピキ、キュルキュルと癇に障るフレーズを弾くギターのコンビネーション。ずもももも…と不気味に唸るベース。人を不愉快にさせる喚き声と基本的な要素は網羅しつつも、音のバランスや曲構成は割としっかりしています。イカれているようでハードコアに突っ込んでくる曲から反復フレーズでじわりじわりと追い詰めてくるような曲までそつなくこなす器用さ。
あまりこの手のバンドを聴かないのでこのバンドならでは魅力があるのかないのかよくわからないのが心苦しい…ですがアートワークなどで雰囲気を感じ取った人なら楽しめるだけのかっこよさはあるぞ、と断言してしまいましょう!さしずめGerms ミーツ Francis Harold And The Hologramsといったところでしょうか?いや、レコード屋さんで引き合いに出されてたバンドをテキトーに並べてみただけですスイマセン。
パンクロックというニッチなジャンルの中でもさらにアングラな世界に身を置くバンドなのでちょっと手を出しにくいとは思いますが、だからこそこのジャンルのバンドは一度知ってしまうと病み付きになる魅力があります。今盛り上がっているオーストラリアパンクシーン、ひいてはこのジャンルを知るきっかけとして是非この機会にいかがでしょう。
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