たまには変わり種をとりあげてみましょう。このDie JungenはThe KVBで活動しているKlauss Von Barrelさんのソロユニットです。The KVBはCeremonyやA Place To Bury Strangers、Custom Made Musicレーベル周辺に通じるノイジーでダークなサウンドでシューゲイザーバンドとよく対バンをやっていたようでしたが、このユニットではガラッとテイストを変えて、60'S アメリカンポップスといいますかオールディーズサウンドに挑戦しています。
しかし出自が出自だけに普通のオールディーズではなく、リバーブとエコーをかけ過ぎた、ゆらゆらと揺らめくインディーロック経由のオールディーズといった塩梅です。
で、これがありきたりな表現でアレなんですけど古い映画を観ているような、自分の人生の名場面を見ているような錯覚に陥るノスタルジックなメロディーがいいんです。
ただ先述のとおりリバーブとエコーの効果でボーカルを含めた各パートの境目が溶け合っていて、なんだかオバケが歌っているような薄気味の悪さも同居していて。
聴いていてふと、その思い出は果たして本当の思い出なのか、時間が経つに連れて自分の中で美化しまくった偽りのもののように思えてしまってゾクッとする瞬間もあります。
インディー界隈だとここ数年ブームになったビーチ系ローファイバンドが一番近いサウンドかな?
古いポップスを聴きこんでいる方はどのように評価されるのかわかりませんが、ちょっと面白い音源だと思うのでよかったら聴いてみてください。
bandcamp