ジャンルの枠を越え多方面に影響を与え続けるコクトー・ツインズ。そのギタリストであるロビン・ガスリーさんのソロアルバムがリリースされました。全曲インストで、四作目のようです。
ソロ活動以外でもRESPLANDORやMAHOGANY、黒人シューゲイザーバンドのAPPOLO HEIGHTSのプロデュース業でもお馴染みですし、アンビエントの巨匠、ハロルド・バッドと組んでアルバムをリリースしたりとその活動は実に精力的で多岐に渡ります。
で、ワタクシ恥ずかしながらソロ名義のアルバムを聴くのは初めてなのですが、全体を通してとても優美なトーンでアルバムは彩られていて、コクトー・ツインズの荘厳さやゴスっぽさはあまり感じられません。
ノイズギターやエフェクトがかったドローンな音響処理も流石としかいいようがありませんが、基本はギターの原音を活かしたメロディー重視の音作りで、アンビエントといえどフックあるメロディーに退屈させられることはありません。
穏やかな「DIGGING FOR GOLD」、柔らかいアコギターとビートにノイズギターが被さる「WISHING」、うすら寂しいメロのギターとヒップホップビートの「WARMED BY THE WINTER SUN」と、ピアノと霞がかったチェロ?が印象的なポスト・クラシカルな「FLOWER」の寂し切な系ナンバー2連発はかなり、キます。表題曲の「EMERALDS」の透き通った美しさも素晴らしい。この曲もピアノがいい味を出してますね。
全曲素晴らしく、ヘッドホンで聴いたらウットリ確実のドリーミーなアンビエント。シューゲイザー、ポストロック、エレクトロニカ、アンビエント、ドローン、ポストクラシカル、と思いつくまま挙げてみましたが、そのあたりを好んで聴いている人は絶対気に入るはず!
シューゲイザーをやっている人や、やってみようと思っている人はコクトー・ツインズだけで満足せずロビン・ガスリーさんのソロ作も聴いてみてください(過去作は未聴ですが、どれもいい出来のようなのでこのアルバムじゃなくてもいいと思います)。
この人を通過しているかいないかで、シューゲイザーサウンドは大きく変わるに違いないとおもうのです。
WARMED BY THE WINTER SUN