ドイツのMARIONETZが1981年にリリースした1stアルバム。
1981年つったらアメリカではBLACK FLAGが「DAMAGED」を、CIRCLE JERKSが「GROUP SEX」をリリースし、イギリスではDISCHARGEが「WHY」を、EXPLOITEDが「PUNKS NOT DEAD」をリリースして世界中がハードコアへ移行している時期ですよ。
パンクシーンが過渡期を迎えている中でリリースされたこのアルバムは、時流に逆行するかのような誰しもがウッキウキのニッコニコになれる、とってもたのしーたのしーポップパンクアルバムなんです!
REZILLOSやMODERNETTESといった70~80年代ポップパンクのスタイルに、カラフルでチープなキーボードと英語とドイツ語を使い分けたボーカルを融合させたとってもイカすバンドサウンド。
攻撃的な曲、楽しい曲、アホな曲とバラエティーに富みながらもどの曲も異常にポップです。
特に凄いのがキーボードが圧巻の美メロを鳴らす極上のポップナンバーの「GUSTAV GLUCK」。アルバムの曲はどれも凄いですが、この曲のクオリティはPOINTED STICKSやSEVENTEENといったパワーポップの定番にして頂点のバンド達にだって全然ひけをとってないですよ。
またカバー曲でも凄いセンスを見せ付けてくれます。BEACH BOYSの「BARBARA ANN」の超高速カバー。キーボードが唸り、熱いボーカルとギターソロを披露。コーラスも忘れていません。81年ということを考慮すると結構凄いアレンジだと思います。
さらにオールディーズの定番、DION & THE BELMONTSの「A TEENAGER IN LOVE」のカバー(パクリ?)をやっています。タイトルが「TEENAGER STAR」になっているんですが、マヌケなキーボード、しまいにゃサックスまで出てくる腰砕けナンバーに。次の「100,000 phon」ではガラリと雰囲気を変えてハードロック調の曲に。変なキーボードが飛び出すんですが、滅茶苦茶ドライビンでかっこいい!サッカーの応援ソングみたいな「HEYA-HEYA T,S,V,」もグー。
このバンドはドイツ出身ということと、イロモノ・キワモノっぽいイメージでいまひとつ評価されてない気がします。個人的にはイロモノ・キワモノ一歩手前のかっこよさがあると思ってるんですが、どうでしょう。
先述したポップパンク、パワーポップバンドが好きな人はもちろん、RAMONESやDICKIESのようなカバーに定評のあるポップパンクバンド、あるいはTRALL PUNK好き、DUDOOSのような異次元ポップパンク(絶対お手本にしていると思う)が好きでまだ聴いてないのならそれはとてももったいないですよ。大推薦です。
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