Sore Eyelids。スウェーデンの激情エモバンド
Suis La Luneのメンバー在籍、当ブログでは初めて扱うエモにカテゴライズされるバンドの2012年リリースのアルバムでございます。
近年パンクやメタル界隈からシューゲイザーを取り入れる試みがなされ、去年出た
Title Fightのアルバムなんかも浮遊感を押し出したパンクサウンドで話題になりましたが、彼等は真打といってもいい程レベルの高いシューゲイジングエモをこのアルバムで聴かせてくれます!
エモ特有のドライで繊細なアルペジオの隙間から溢れだす轟音ギター、絶え間ないトレモロアームの揺らめき。
そこにメロディアスなベースにドカドカと疾走するドラムの劇的なリズム、リバーブをかけ明るいとも暗いともつかないメロディーを朗々と歌い上げるボーカル(レコ屋さんではモリッシーみたいと評されていました)で、もうメランコリック大爆発です!(意味不明)
アンビエントさや耳の痛いノイズでもなく、パンキッシュな疾走感重視のスタイル、アーミングを多用した音作りを聴くに、ルーツはMy Bloody ValentineやSlowdiveといったブーム全盛期のバンドではなく、2000年代のシューゲイザーリバイバル以降のバンドでもなく、90年代後半にひっそりとシューゲイザーをやっていたバンドの流れを汲んでいるような気がします。そこに昨今のエモリバイバルがリンクしたようイメージでしょうか。
ダイナミックなエモーショナルハードコアの爆発力と、不安定さを醸し出すトレモロのぐわんぐわんと歪み、伸びていく轟音は聴いていて最高に気持ちいいです
「とにかくヤバいから聴いてみろ」と無理矢理にでも聴かせたくなった超名盤!かっこよくて何度も針を落としちゃいます。
bandcampちなみにSuis La Luneのボーカルがドラムで参加しているEdweenaってシューゲイザーバンドも卒倒もののかっこよさなので興味があったらそっちも聴いてみてください。音源が手に入ったらこのブログでも取り上げるつもりです。
Soundcloudさらに余談の余談ですが、「パンクとシューゲイザー」の融合の雛型といえるバンドが90年代に既に存在していました。Twitterでフォロワーさんから教えていただいたSolar Coasterというバンドで、アルバムを一枚残してひっそり消えていってしまったのですが、これが70's Punkと90'sエモコアとシューゲイザー、そこにキンセラ系のフニャフニャボイスを乗っけた滅茶苦茶かっこいい音を鳴らしていたバンドなので良かったらそちらも探してみてください。今こそ再評価の時だ!
Solar Coaster - Likeness Of No One