Regulations、Vicious、Masshysteri、Lost Patrol Band、Invasionenと数々のバンドを渡り歩きUMEAのパンクシーンを引っ張ってきたRobert Petterssonさん。特にMasshysteriは世界中にフォロワーを産み出すほどの人気を誇りましたが2枚のシングルと2枚のアルバムをリリースして惜しまれつつ解散。
デニス・リクセゼンさん率いるInvasionenに参加するもいつの間にか脱退されていてその後の動向が注目されていましたが、ソロ名義で満を持してのアルバムリリースと相成りました。
このアルバムではRobertさんのポップセンスがこれまで以上に発揮されています。Masshysteriが2nd以降のThe Boysをやっているような、鋭さと哀愁、甘さがせめぎ合う圧倒的に美しい名盤ですよ!
オープニングを飾る「Allt Ska Forsvinna」で聴けるカッティングギターはMasshyteriの感動よ今再び!って感じ。先行公開されていた「
22」はRobertさんのボーカリストとしての凄さがヒシヒシと伝わる名曲だ!独特なハイトーンボイスとスウェーデン語の響きが感動を呼び起こします。
ピアノを全面的に押し出したドリーミーな「
Sluta Deppa mig」も新しい試み。こういう曲を歌ってもかっこいいですね。
B面の「Sveriges Ungdom」の勇壮なイントロを聴くとやっぱりメタルの国の人だなあと思いました。
「Be My Baby」のリズムを取り入れた「Jag Ville Glomma Dig」は北欧の冷たさを含んだリリカルなピアノが絶句するほど美しい曲。
全てがまぶし過ぎる「Stockholm Brinner」、ラストの「Det Ar Ok Om Du Glommer Mig」は正に大団円って雰囲気満載の曲。終盤掻き鳴らさられるギターを聴けば、こみ上げてくる何かがきっとあるはず。
ああ、やっぱRobertさん天才だったんだなー!どんなにフォロワーが現れてもこんな音楽は誰にも作れっこないですよ。
Invasionenが「まあ悪くはないんだけど、こういうのじゃなくてさー…。」って方向に行っちゃったの対し、Robertさんは自然な洗練のされ方をしていると思います。ViciousからMasshysteriにおいても徐々に綺麗な音になっていきましたし、十分受け入れられる範疇の変化ではないでしょうか。
往年のファンならずとも楽しめるアルバムなのですが、どういうわけか値段が3,990円と非常にアレなことになっています。これじゃあMasshysteriを知らない人は絶対聴かないでしょうねえ。それ以外はもうホント完璧なんですけど!
※6月10日追記
大事なことを書き忘れていました。インナースリーブはMasshysteriの1stアルバムと同じ割れた鏡のデザインになっており、そこに収められた写真が燃えるアコギを構えた女性(男性かもしれません)というファンなら嬉しい仕様になっています。是非手に取って確認してみてください。
ライブ動画←Masshysteri時代の曲もやってるみたい