アンビエントに、曖昧に、響き揺らめくトレモロギターと甘いメロディもいいけれど、蒼く爆ぜる轟音こそがシューゲイザー!そんな諸兄に朗報です。
こちらのニュージャージーのSeafrostはRideやSwervedriverの影響を感じさせつつも、90年代のノイジーなギターロック大好きです!という素直な気持ちが伝わってくる音楽性。歌声もまた90年代の雰囲気をもったいい声です。
ギターのメンバーは一人だけながらもなかなかにセンスを感じさせるプレイヤーで、ゴリッとしたギターリフ、トレモロにアルペジオ、ソロとかなり工夫を凝らしています。特に哀愁を孕んだ曲でのプレイは見事なものです。スピード感に頼らずともドライブ感を生んでいるドラムもかっこいい。
ただ不思議なことに曲のクオリティは高いのにどうも印象に残らない。
この感じ、例えるならフランス映画を観ている時の感覚でしょうか。退屈なシーンが続くけれど、つまらないというわけではない心地よい退屈さ。ラストの「Rain」なんて二部構成かつ9分の大作ながら一気に聴かせる凄い曲なんですけどね…。そこはフォロワーバンドの可愛らしさと僕はとりました。
ライブ音源かと思ってしまったほどバランスがおかしい録音も独特過ぎる。
なんだか褒めてるんだか貶してるんだかな文章になってしまいましたが、僕個人としてはかなり気に入っていて今年のベスト候補だったりします。Swervedriverの新作が気に入った人、90年代のギターサウンドが好きな人は聴いてみてね。
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